
夏の暑さがピークに達してくると、「熱中症警戒アラート」という言葉を耳にする機会が増えてきます。近年はそれに加えて、「熱中症特別警戒アラート」という、これまで以上に強い警戒を呼びかける仕組みも導入されました。
なにやら物々しい名前ですが、気になるのは
「警戒アラートと何が違うの?」
「出たら何をすればいいの?」
このあたりですよね。
ここでは、熱中症警戒アラートと熱中症特別警戒アラートの違い、発表される条件、発表されたときに取るべき行動を、わかりやすく整理していきます。知っておいて損はない情報ですので、ぜひ読んでみて下さいね。
この記事でわかること
- 熱中症警戒アラートと特別警戒アラートの違い
- それぞれが出る条件
- 発表されたときにやるべきこと
- WBGTとの関係
ざっくり言うと、熱中症特別警戒アラートは、通常の警戒アラートよりさらに危険度が高いときに出る情報です。
熱中症特別警戒アラートとは?
熱中症特別警戒アラートは、広い範囲で、命に関わるほど危険な暑さが予想されるときに出される情報です。
熱中症警戒アラートも十分に危険な情報ですが、熱中症特別警戒アラートは、そのさらに上にあるイメージです。
「今日はかなり暑そう」ではなく、ふだん以上に強く警戒しないと危ない日に出るものだと考えるとわかりやすいです。
特に、高齢者、子ども、持病のある方、屋外で仕事や活動をする方にとっては、いつも以上に慎重な行動が必要になります。
熱中症警戒アラートとの違い
名前が似ているので混同しやすいのですが、この2つは危険度が違います。
| 項目 | 熱中症警戒アラート | 熱中症特別警戒アラート |
|---|---|---|
| 位置づけ | かなり危険な暑さへの警戒 | さらに深刻な危険な暑さへの警戒 |
| イメージ | 外出や運動を控えたいレベル | 不要不急の外出を避け、命を守る行動を優先したいレベル |
| 注目したいこと | 個人の暑さ対策を徹底する | 自分だけでなく周囲も含めて守る行動を取る |

ざっくり覚えるなら
警戒アラート=かなり危ない
特別警戒アラート=本当に無理をしないほうがいい
名前の違いだけではなく、行動の重さもひとつ上がると考えておくとわかりやすいです。
どんなときに発表されるの?
熱中症警戒アラートは、府県予報区等の中で、暑さ指数(WBGT)が33以上になると予測された地点がある場合に発表されます。
一方、熱中症特別警戒アラートは、都道府県内の全ての暑さ指数情報提供地点で、翌日の日最高WBGTが35以上になると予測された場合に発表されます。
つまり、特別警戒アラートのほうが条件はかなり厳しく、出る回数は少ないぶん、出たときの危険度はとても高いです。
発表の目安
- 熱中症警戒アラート:WBGT33以上(府県予報区等内のいずれかの地点)
- 熱中症特別警戒アラート:都道府県内の全地点でWBGT35以上が予測される場合
また、発表されるタイミングも違います。
| アラート | 発表時刻(環境省・気象庁) |
|---|---|
| 熱中症警戒アラート | 前日17時/当日5時 |
| 熱中症特別警戒アラート | 前日14時 |
特別警戒アラートのほうが早い時間に出るのは、対策するための時間に余裕を持たせるためです。それくらい危険度の高い状況が迫っているということでもあります。
ニュースや通知で見かけたら、「かなり暑いらしい」で流さず、その日の予定を少し見直すくらいの意識があると安心です。
熱中症特別警戒アラートが出ると日本地図はこうなる
熱中症特別警戒アラートがどのくらい厳しい状況かは、日本地図のイメージで見るとわかりやすいです。環境省の資料によると、特別警戒アラートは「黒」で表示されます。
↓いつもの猛暑のとき

↓熱中症特別警戒アラートが発令されているとき

真っ黒になると、国内のどこに逃げても安心しにくい状況です。
近年は温暖化や異常気象の影響で、これまで以上に強い暑さを記録する年も増えています。
発表されたらどうする?
発表されたら、いちばん大事なのは「自分は大丈夫」と思わないことです。特に熱中症特別警戒アラートが出た日は、暑さに強い人でも無理をしないほうが安全です。
発表された日にやりたいこと
- 不要不急の外出をできるだけ避ける
- 屋内ではエアコンを使って涼しい環境で過ごす
- こまめに水分補給をする
- 汗を多くかく場合は塩分補給も意識する
- 屋外の運動や作業は中止・延期を検討する
- 高齢の家族や近くの人にも声をかける
「冷房はまだいいかな」などと我慢する日ではありません。
暑さを根性で乗り切るのではなく「真剣に対策をし、暑さを避ける日」です。
特に子どもの部活、屋外イベント、工事や農作業などは、責任者が慎重に判断したいところです。

クーリングシェルターってなに?
熱中症特別警戒アラートが出るような日は、自治体が指定しているクーリングシェルター(指定暑熱避難施設)の活用も案内されます。
クーリングシェルターは、危険な暑さをしのぐために使える施設のことです。公民館、図書館、ショッピングセンターなど、冷房のある施設が市町村長によって指定されていることがあります。
2024年4月に改正気候変動適応法が施行され、熱中症特別警戒アラートの発表時に暑さをしのぐ一般開放施設として、クーリングシェルターを各市町村が指定できるようになりました。
自宅で冷房を使えるなら無理に移動する必要はありませんが、自宅で涼しい環境を確保しにくい場合は、こうした場所を早めに確認しておくと安心です。
クーリングシェルターを確認しておきたい人
- 自宅で十分に冷房を使えない人
- 高齢の家族がいる人
- 日中を外で過ごしやすい人
場所や開放時間は自治体ごとに違うので、お住まいの市区町村の案内を見るのが確実です。
WBGTとの関係
熱中症警戒アラートや熱中症特別警戒アラートは、暑さ指数(WBGT)をもとに判断されています。なので、アラートだけを見るより、WBGTの意味もわかっていたほうが、「今日はどれくらい危ないのか」を理解しやすくなります。
WBGTの読み方や意味、気温との違いはこちらでまとめています。
WBGTって何?という方へ
WBGTは「ダブリュービー・ジー・ティー」と読み、熱中症の危険度を見るための指標です。
通知で知りたい人へ
毎日ニュースや公式サイトを見に行かなくても、LINEや通知サービスを使えば、アラート情報を受け取りやすくなります。
環境省LINE公式アカウントでの配信タイミングは、アラート本体の発表時刻とは少しずれるので、以下のとおり整理しておきます。
| アラート | LINEでの配信タイミング |
|---|---|
| 熱中症警戒アラート | 前日18時ごろ/当日7時ごろ |
| 熱中症特別警戒アラート | 前日14時10分ごろ/当日7時ごろ |
通知アプリも含めたまとめは、別ページで紹介しています。
よくある質問
熱中症警戒アラートが出たら外出してはいけませんか?
絶対に外出禁止という意味ではありません。ただ、不要不急の外出はできるだけ避け、外に出る場合も短時間にしたり、暑い時間帯を避けたりしたほうが安心です。
熱中症特別警戒アラートが出たら学校や仕事は休みになりますか?
自動的に全国一律で休みになるわけではありません。ただし、学校、自治体、事業者、イベント主催者などが中止・延期・縮小を判断する材料として、かなり重い情報です。
熱中症特別警戒アラートは毎年よく出るものですか?
通常の熱中症警戒アラートより条件が厳しいので、よく出るアラートではありません。そのぶん、このアラートが出されたときは「かなり危ない日なんだな(マジでヤバイ)」と受け止めたほうがいいです。
クーリングシェルターは誰でも使えますか?
基本的には自治体が指定した施設として案内されますが、利用条件や開放時間は地域によって違います。事前に自治体の案内を確認しておくと安心です。
WBGTだけ見ていれば十分ですか?
WBGTはとても参考になりますが、体調、水分不足、睡眠不足、持病の有無などでも熱中症リスクは変わります。数字だけでなく、その日の自分や家族の状態もあわせて見ておきたいところです。
まとめ
この記事のまとめ
- 熱中症特別警戒アラートは、通常の警戒アラートよりさらに危険度が高い
- 警戒アラートはWBGT33以上、特別警戒アラートは都道府県内の全地点でWBGT35以上が目安
- 発表されたら、外出や運動を控え、涼しい場所で過ごしたい
- 必要に応じてクーリングシェルターも確認しておくと安心
熱中症特別警戒アラートは、「かなり暑い」では済まないレベルの危険な暑さが予想されるときに出る情報です。
発表された日は、外出や運動を控え、冷房のある場所で過ごし、自分だけでなく周囲の人の体調にも気を配ることが大切です。
暑い日は、気温だけでなく、アラートが出ていないか、WBGTがどれくらいかもあわせて見ておくと、判断しやすくなります。



